行 灯
(二)
丈太郎は女の体を抱くのは初めてだった。
道場の友人は安い妓楼に遊びに行くことはあっても、丈太郎は遠くから笑っていた。
ばかなやつらだ。
そんな女に金を使ってどうする。
女が自分に金を使うならともかく、金でどうにでもなる女になど興味はない。
自分が興味のある女はただ一人。
りつ。
そう、自分の実の姉。
りつ以外の女には興味はない。
鬼畜と言われても構わない。
けだものと言われても構わない。
小さな頃から姉のりつ以外の女には興味はなかった。
誰にも言わずに、ずっと自分の心にしまっておいた秘密。
りつは何も言わず、丈太郎のなすがままだった。
一言も声をたてず、ほんの少し汗ばんだ体からは何の反応も返っては来なかった。
しかし丈太郎はりつの寝巻きを剥ぎ取り、小さな行灯の灯りでりつの体のすみずみまでも見た。
触れた。舌でなぞった。
四半時ばかりも過ぎた頃、りつの唇から小さな吐息がもれた。
丈太郎はそれには気づかない。
りつの体のすみずみまでも指でなぞり、そして味わう。
細くしなやかなりつの体。
丸みを帯びたこぶりな乳房は子どもを育てた経験がないため、はりと艶があった。
腰のくびれは心細いほどで、丈太郎は力を込めることができずにいた。
柔らかそうな茂みは甘い香りを放ち、丈太郎はくらくらと眩暈が起きそうだった。
丈太郎はりつの茂みをかき分け、そして舌をはわした。
そのとたん……。
「―――ん……」
か細い声でりつが鳴いた。
「姉上……」
それに気づいた丈太郎はかき分け、押し広げ、さらにりつの花びらを味わった。
「んぁ……。んふ……」
りつは小さく声を押し殺し、しかし丈太郎の舌と指の動きに反応し始めた。
「姉上……」
丈太郎の下半身は熱く熱を帯びていた。
下帯がはちきれそうだった。
甘い蜜のしたたる小さな穴に丈太郎は指を差し込んだ。
ぴくんとのけぞるりつの体。
指をくねらし、さらに差し込む指を増やす。
「―――くふん……ん……」
したたるほどのりつの蜜は丈太郎のあごを伝い、そして胸までもぬらしていた。
丈太郎はどうしようもなく、そのまま食いつくようにりつの花びらを吸い上げ、ねぶり、そして
指で愛撫した。
「―――姉上……」
すでに息が切れているりつは答えることもできず、薄ぼんやりとした灯りの中に動く丈太郎の
頭を見ていた。
「丈太郎……」
りつの自分の名を呼ぶ声を聞き、丈太郎は下帯をむしり取った。
へそまでも屹立したそれを何の前触れもなく、りつの蜜壷に突き立てた。
「ああああああ……」
りつの蜜壷はねっとりとからみつき、丈太郎自身を締め上げた。
そのとたん……。
「うくっ……」
丈太郎はあっけなく果てた。
自分の中でどくどくと脈打つ丈太郎を、りつはさらに締め上げた。
「姉上っ」
丈太郎は初めて腰を使い、そして萎えることのない自分自身をりつに打ち付けた。
りつの蜜と自分の吐き出したものがからみあい、べちゃべちゃと水気の含んだ音が響く。
丈太郎は初めての快楽に酔いしれていた。
止まらない。
腰が勝手に動く。
りつのあえぎが自分を煽る。
丈太郎は、初めて女を知った。
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